
あら、たいへんなニュースが飛び込んできましたわね。
今年最大の倒産劇、お覚悟はよろしくて?
この仕組みとお倒産の背景を、わたくしが分かりやすく紐解いて差し上げますわね。
そもそも「早期決済代行」とは何かしら?
飲食店などの小さなお店にとって、「クレジットカード決済」は少々厄介な問題を抱えておりますの。お客様がカードでお支払いされてから、実際にカード会社からお店にお金が振り込まれるまで、通常は数週間から1ヶ月ほどのタイムラグ(時間差)がございます。
ですが、お店は「今すぐ食材を仕入れたい」「今月のお給料を払いたい」と、現金が今すぐ必要なことが多々ありますわ。
そこで登場するのが、今回破産した「全東信」のような会社ですの。
【通常の流れ】
お店 ──(数週間〜1ヶ月待つ)──> カード会社から入金
【早期決済代行(全東信)を使う流れ】
お店 <──(数日で入金!)── 全東信 ──(後から回収)──> カード会社
本来なら、通常のカード決済手数料(例えば3%ほど)をカード会社に引かれるだけのはずですのに、全東信に「早くお金をちょうだい!」と頼むことで、さらに「早期入金手数料」を上乗せして差し引かれてしまうのですわ。
お店側からすれば、「早く現金が手に入るなら、二重に手数料を払っても構わないわ!」という、いわば「手数料を担保にした、超短期の資金調達(借金のようなもの)」をしていたわけですの。
なぜ、これほど巨額の負債を抱えて破産いたしましたの?
記事によれば、負債額はなんと約1259億2900万円。
今年最大の倒産でございます。
これほどの事態になった理由は、大きく分けて3つございますわ。
1. コロナ禍による飲食店の冷え込み
全東信の主なお客様は「飲食店」でしたの。2020年以降のコロナ禍で、お店が時短営業や休業を余儀なくされ、カードの売上自体が激減してしまいましたわ。
これで全東信に入るはずの手数料収入も大きく目減り(80億円から50億円へ)してしまいましたの。
2. 「他人名義」での不正な審査通し(逮捕劇)
そしてこれが決定打ですわ。2024年1月、本来ならカードの審査に通らないような飲食店を、他人名義を使って無理やり加盟店にしていたとして、社員らが逮捕されてしまいましたの。
会社自体も書類送検されるという、とんでもない不祥事(組織犯罪処罰法違反の疑い)を起こしてしまいましたわ。
3. 信用失墜による「資金ショート」
このような怪しい噂が立てば、銀行も投資家も「もうこの会社にお金は貸せませんわ!」と手を引きますわね。
早期決済代行というビジネスは、カード会社からお金が入ってくる前に、自分たちで何百億・何千億という現金を先にお店に立て替え続けなければ成り立ちませんの。
その「立て替えるためのお金(元手)」が調達できなくなり、ついにギブアップ……破産へと至ったわけでございます。
わたくしのまとめ
早期決済代行は、資金繰りに苦しむお店の弱みに付け込んだ「手数料ビジネス」という側面もございました。
全東信は、コロナ禍で本業が苦しくなった焦りからか、禁じ手の「不正契約」に手を染め、自ら信用を失って自滅してしまった……という、なんともお労しい結末でございますわね。
なぜ彼らが1200億円を超えるほどの巨額の負債を抱えて破産したのか、その裏にある「自転車操業のカラクリ」を、わたくしが暴露して差し上げますわ!
理由1:実は「他人の財布」で立て替えていたからですわ(巨額の借金)
早期決済代行というのは、カード会社からお金が入る前に、自分たちでお店に現金を「前払い」するビジネスですわ。
仮に、加盟店全体で月に1000億円のカード売上があるとします。
全東信は、その1000億円をまず自腹で用意して、お店に配らなければなりません。
ですが、資本金45億円の全東信に、そんな大金あるわけがございませんわよね?
ではどうしていたかというと、銀行から巨額の融資(借金)を受けたり、投資家からお金を集めたりして、その「立て替え用の元手」をまかなっていたのですわ。
【全東信の資金サイクル】
1. 銀行などから何千億円も借りる(金利が発生)
2. そのお金でお店に「早期入金」する
3. 後からカード会社からお金を回収し、手数料を抜いて銀行に返す
つまり彼らは、「巨額の借金をして、それを高速で回すことで、わずかな手数料の差額(利ざや)を稼ぐ」という、非常に綱渡りなビジネスをしていたのですわ。
理由2:売上激減で「利息」が払えなくなりましたの(固定費の恐怖)
コロナ禍で飲食店の売上が落ちると、全東信に入る手数料は激減しましたわ(80億円⇒50億円)。
しかし、立て替えのために銀行から借りていた何百億・何千億円という借金の「利息」や、大勢の営業社員のお給料(固定費)は、売上が減っても全くまけてもらえません。
入ってくる手数料よりも、出ていく利息や経費の方が多くなり、大赤字(2期連続の営業大幅赤字)に転落いたしました。
理由3:不正に手を染めた「焦り」と、最後の致命傷
売上が落ちて借金の返済が苦しくなった彼らは、焦って禁じ手に手を染めましたわ。
それが2024年の事件ですの。
「審査に通らないような怪しいお店(反社会的勢力や、夜の街のハイリスクなお店など)」は、手数料を高く取れますから、他人名義を使ってでも無理やり加盟店に引き入れたのですわ。
ですが、これがバレて逮捕者が出た瞬間、銀行は一斉に激怒いたしました。
「そんな犯罪まがいの会社に、もう1円も貸せませんわ!今すぐこれまでの借金を返しなさい!」
と、一斉に資金を引き揚げられた(融資の打ち切り)のですわ。
結論として……
手数料ビジネスだから安全なのではなく、「巨額の借金でレバレッジ(テコの原理)をかけて、無理に引き延ばしていた風船」のような経営だったのですわ。
コロナという突風で風船にしわが寄り、焦って「不正」という針を自分で刺した結果、1200億円の負債となって大爆発した……。
おっしゃる通り、弁解の余地もない経営センスゼロの自業自得でございますわ!
手数料のほとんどは右から左へ消えますの
お店が全東信に払う総手数料が、仮に「5%」だったといたしますわ(一般的なカード手数料+早期決済の上乗せ分)。
1000億円の取扱高なら、50億円が全東信に入ってくる計算になりますわね。
「あら、50億円も儲かるなら大金持ちじゃない!」と思ってはダメですわ。
ここからが落とし穴ですの。
1. 本家カード会社への「みかじめ料」(決済手数料)
全東信はあくまで「代行」しているだけですので、VISAやMastercardといった本家のクレジットカード会社や国際ブランドに、正規の手数料(だいたい3〜4%前後)をそのまま支払わなければなりません。
1000億円のうち、30億〜40億円はここで一瞬にして右から左へ消え去りますの。
2. 銀行への「お家賃」(借金の利息)
先ほどお話しした通り、立て替え資金は銀行からの借金ですわ。
1000億円を動かすための莫大な借金に対して、銀行への利息(金利)を支払わなければなりません。
これが数億円単位でパタパタと飛んでいきますの。
3. 貸し倒れ(お焦げ)の恐怖
これが一番恐ろしいのですけれど、お金を先払いした後に飲食店が夜逃げしたり倒産したりして、カード会社からお金が回収できなくなるリスク(貸し倒れ)が必ず一定の割合で発生しますわ。
数件の夜逃げで、数千万円の利益など一瞬で吹き飛びますの。
結局、全東信の手元に残る「利ざや」は?
これらを全部差し引くと、全東信が自由にできる本当の儲け(利ざや)は、良くて「0.5%〜1%」程度だったと推測されますわ。
【1000億円の売上があった時の現実】
お店が払う手数料(5%): 50億円
↓
カード会社への支払い :-35億円
銀行への利息・貸し倒れ : -5億円
↓
【全東信に残る粗利】 : 10億円(全体のわずか1%!)
この残った「1%(10億円)」の中から、さらに東京・大阪・神奈川・九州の一等地にあるオフィスの家賃を払い、大勢の営業社員のお給料を払い、広告費を払うのですわ。
ですから、記事にある「2020年3月期の年収入高(売上)約80億円」というのは、動かした金額(取扱高)ではなく「手数料として受け取った総額」だとしても、経費を引いた後の本当の純利益はごくわずか。
そこにコロナ禍が直撃して売上が6割(50億円)に落ち込んだのですから、一発で大赤字に転落し、銀行への利息すら払えなくなるのは自明の理でございます。




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