民法第三百九十八条の四 (根抵当権の被担保債権の範囲及び債務者の変更)

第三百九十八条の四 元本の確定前においては、根抵当権の担保すべき債権の範囲の変更をすることができる。債務者の変更についても、同様とする。

この条文のポイントは、元本確定前であれば、根抵当権の設定者と根抵当権者の合意によって、比較的柔軟に担保内容を変更できるということです。

具体的に見ていきましょう。


第一項について

  • 担保すべき債権の範囲の変更: 元本が確定する前であれば、例えば、当初はAとの間の取引から生じる債権のみを担保としていた根抵当権について、新たにBとの間の取引から生じる債権も担保の範囲に含める、といった変更が可能です。逆に、一部の取引を担保範囲から除外することもできます。
  • 債務者の変更: これも元本確定前であれば、根抵当権の債務者を変更することができます。例えば、当初の債務者Cに代わって、新たにDを債務者とする変更が可能です。これは、事業承継や債務引受などの場合に利用されることがあります。


第二項について

  • 後順位の抵当権者等の承諾は不要: 第一項のような担保範囲や債務者の変更を行う際に、後順位の抵当権者やその他の第三者の承諾を得る必要はありません。これは、元本確定前であれば、根抵当権の担保する具体的な債権額がまだ定まっておらず、後順位の権利者に与える影響が確定していないと考えられるためです。


第三項について

  • 登記の必要性: 第一項の変更(担保範囲または債務者の変更)は、元本確定前に登記しなければ、その変更はなかったものとみなされます。つまり、当事者間の合意だけでは第三者に対抗することができず、登記を備えることによって初めてその変更の効力が第三者に主張できるようになります。

この条文は、根抵当権の柔軟性を確保しつつ、取引の安全を図るための規定と言えるでしょう。
元本確定前であれば、担保関係を状況に応じて変更できる一方で、その変更を第三者に主張するためには登記が必要であるという点を押さえておくことが重要です。

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法律

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