民法第三百九十八条の十五 (抵当権の順位の譲渡又は放棄と根抵当権の譲渡又は一部譲渡)

第三百九十八条の十五 抵当権の順位の譲渡又は放棄を受けた根抵当権者が、その根抵当権の譲渡又は一部譲渡をしたときは、譲受人は、その順位の譲渡又は放棄の利益を受ける。

少し複雑ですが、順を追って見ていきましょう。

まず、前提として「抵当権の順位の譲渡または放棄」とは、例えば、一番抵当権者が二番抵当権者に対して、自分の順位を譲ったり(順位譲渡)、自分の抵当権を放棄して二番抵当権者の順位を繰り上げたり(順位放棄)することを指します。

これにより、二番抵当権者は、あたかも一番抵当権であるかのような優先弁済を受けることができるようになります。

さて、この条文が問題にしているのは、この順位譲渡または放棄の利益を受けた根抵当権者が、その後さらに自分の根抵当権を第三者に譲渡したり、一部譲渡したりした場合に、その譲受人が元の順位譲渡

または放棄の利益を引き継ぐことができるのか、という点です。

結論として、第三百九十八条の十五は、譲受人は、その順位の譲渡又は放棄の利益を受けると規定しています。

つまり、

  1. 一番抵当権者(A)が、二番根抵当権者(B)に対して順位を譲渡した。
  2. その後、この順位譲渡の利益を受けている二番根抵当権者(B)が、その根抵当権を第三者(C)に譲渡した、またはCと根抵当権を共有する一部譲渡をした。
  3. この場合、根抵当権の譲受人(C)は、AからBへの順位譲渡によってBが得ていた、一番抵当権と同様の優先弁済を受ける利益をそのまま引き継ぐことができる、ということです。

この規定は、順位譲渡や放棄の利益を伴う根抵当権の流通を円滑にするためのものと考えられます。
せっかく順位譲渡などを受けた根抵当権が、その後の譲渡によってその利益を失ってしまうと、取引の魅力が薄れてしまうため、譲受人にもその利益を承継させることで、根抵当権の活用を促進する狙いがあると言えるでしょう。

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