民法第三百九十八条の五 (根抵当権の極度額の変更)

第三百九十八条の五 根抵当権の極度額の変更は、利害関係を有する者の承諾を得なければ、することができない。 

この条文の核心は、根抵当権の極度額は、その変更によって不利益を受ける可能性のある利害関係を有する者全員の承諾がなければ、変更することができないということです。

なぜこのような厳しい制限が設けられているのでしょうか?

根抵当権の極度額は、根抵当権によって担保される債権の最終的な上限を示すものです。
極度額が増加すると、後順位の担保権者や一般債権者の弁済を受けられる可能性が低くなるなど、不利益が生じるおそれがあります。

具体的に「利害関係を有する者」としては、以下のような者が考えられます。

  • 後順位の抵当権者: 当該根抵当権よりも後に設定された抵当権を持っている人たちです。極度額が増加すると、自分たちの担保権の順位が相対的に下がり、弁済を受けられる金額が減る可能性があります。
  • 後順位の根抵当権者: 同様に、後順位の根抵当権者も不利益を受ける可能性があります。
  • 当該不動産の賃借権者: 極度額の増加によって担保不動産の価値が毀損し、賃借権の行使に影響が出るような場合などが考えられます。
  • 当該不動産の差押債権者: すでに不動産を差し押さえている債権者も、極度額の増加によって弁済を受けられる見込みが薄くなる可能性があります。
  • 保証人: 根抵当権の債務について保証している人も、極度額の増加によって保証責任が重くなるため、利害関係者に該当する可能性があります。

これらの利害関係者のうち、一人でも承諾しない限り、根抵当権の極度額を増額する変更は認められません。
減額する場合は、一般的には利害関係が生じないため、承諾は不要と考えられています。

このように、第三百九十八条の五は、根抵当権の極度額という重要な担保条件の変更について、関係者の利益を保護するために慎重な手続きを求めているのです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
法律

コメント

タイトルとURLをコピーしました