第三百九十八条の三 根抵当権者は、確定した元本並びに利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部について、極度額を限度として、その根抵当権を行使することができる。
具体的には、根抵当権者は、根抵当権の担保すべき元本が確定した後には、以下のものの全部について、あらかじめ定められた極度額を上限として、その根抵当権を実行することができると規定しています。
- 確定した元本
- 利息その他の定期金
- 債務の不履行によって生じた損害の賠償
つまり、元本が確定するまでは、変動する債務全体を担保する根抵当権ですが、確定した後は、その時点での元本に加えて、それまでに発生した利息や定期金、そして債務不履行による損害賠償金も、極度額の範囲内で担保されることになるわけです。
民法第三百九十八条の三第二項は、債務者との直接の取引によらずに取得した手形債権、小切手債権、または電子記録債権を根抵当権の担保とする場合に、根抵当権の効力が制限されるケースについて規定していますね。
簡単に言うと、第三者から譲り受けた手形や小切手などを担保に入れている場合に、債務者の信用状態が悪化した場合、それ以降に取得した債権については、原則として根抵当権を行使できなくなるというルールです。
具体的に、以下のいずれかの事由が発生した場合、その事由が発生する前に取得した手形債権、小切手債権、または電子記録債権についてのみ、根抵当権を行使できます。
一.債務者の支払の停止:債務者が一般的に支払いをすることができなくなった状態です。
二.債務者についての破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始又は特別清算開始の申立て:これらの法的手続きは、債務者の経済的な再建や清算を目的とするもので、債務者の財産状況が危機的な状況にあることを示します。
三.抵当不動産に対する競売の申立て又は滞納処分による差押え:担保となっている不動産が競売にかけられたり、税金などの滞納によって差し押さえられた場合です。
これは、担保不動産の価値が損なわれる可能性を示唆します。
ただし、これらの事由が発生した後に取得した債権であっても、その事由を知らずに取得した場合には、例外的に根抵当権を行使することができます。
これは、善意の第三者を保護するための規定と考えられます。
この第二項は、根抵当権の担保範囲が、債務者の信用状況の悪化によって不当に拡大することを防ぐための規定と言えるでしょう。
特に、債務者と直接的な取引関係にない債権者を保護する意味合いが強いと考えられます。



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