第二百九十条 前条の規定による地役権の消滅時効は、地役権者がその権利を行使することによって中断する。
民法第290条は、前条(第289条)で規定された地役権の消滅時効が、地役権者がその権利を行使することによって中断されるということを定めています。
なぜ時効が中断されるのか?
- 権利の行使: 地役権者が積極的に権利を行使することは、その権利を放棄する意思がないことを示す明確な行為とみなされます。
- 時効の趣旨: 取得時効制度は、長期間にわたって権利を行使されない財産権を消滅させることで、権利関係を明確にすることを目的としています。そのため、権利者が積極的に権利を行使している限り、その権利は有効に存続すると考えられます。
時効の中断とは?
時効が中断されると、時効の期間が最初からやり直されることを意味します。つまり、地役権者が一度権利を行使した後、再び20年間権利を行使しないと、再び地役権が消滅してしまう可能性があります。
例えば、以下のケースが考えられます。
- 通行地役権: Aさんの土地(要役地)が、Bさんの土地(承役地)を通って道路に出る地役権を持っているとします。Bさんが、Aさんの通行を妨害し、15年間占有し続けていたとします。しかし、16年目にAさんがBさんの土地を通って通行した場合、Bさんの取得時効は中断され、再び20年間の期間が新たに始まることになります。
第290条の意義
- 権利の保護: 地役権者の権利を保護し、安易に消滅させないための措置です。
- 権利関係の安定: 地役権の存続期間を明確にすることで、権利関係の安定に貢献します。
注意事項
- 権利行使の方法: 権利行使の方法については、特に制限はありませんが、その行使が客観的に見て権利を行使する意思表示と認められることが必要です。
- 中断の効果: 時効の中断は、すべての地役権について、また、すべての時効取得者に対して効力を生じます。
まとめ
民法第290条は、地役権の消滅時効が、地役権者の権利行使によって中断されることを定めています。この条文は、地役権者の権利を保護し、権利関係の安定を図る上で重要な役割を果たしています。



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